CINEMA SE7EN

ーー 映画表現論特殊講義 ーー

夏の日射し

2017年11月13日(月)晴れのち夜は小雨

秋が深まりつつある11月の半ば、枯れ葉が積もった道は赤や黄、茶色を基調としたさまざまな階調の色彩で鮮やかに、あるいは鈍く彩られている。

風が木々の枝を揺らし、せせらぎが流れる。それら自然の音にリズムや音程(ピッチ)を感じることはないが、むしろその構成なき構成が耳に心地いい。オースン・スコット・カードの「無伴奏ソナタ」の最初の場面が頭の中で形作られる。

人里離れた森の奥、クリスチャンは夏の日射しに和音を感じ、冬の月明かりにかすかな哀調を聴いた。「心の中で色彩が音を作り出すのを彼はみつけた」という。鳥や虫の声、風の音、葉擦れを聴きながら彼は特殊な<楽器>で独自の音楽を演奏する。

その<楽器>の形状を想像することがいつもささやかな歓びとなる。そして、しばらくは<楽器>が奏でる「音楽」を「聴くこと」に夢中になる。